LIVE HOUSE タムラジオ

第65回“DoYou名言集”

2020年10月16日(金)

『江戸の文化には全部を『洒落のめす』ところが楽しみにあるんです』 by 桃月庵白酒

今日は落語家、噺家さんの桃月庵白酒さんの言葉です。
なかなかすごい名前ですよね。
この人の落語は一度生で見た事があって、
ふっくらとした顔付きですごく優しそうな温和なルックスで、
飄々とでもハキハキとした口調でやるんですけど、
心の奥底に「馬鹿野郎うるせえこのやろう!」ってものがあるってことが
言葉の端々に滲んでいるような。
でも陰鬱な感じはなくて、明るさは失わないような
そんな好印象があリましてとっても記憶に残っていた噺家さんです。

その桃月庵白酒さんの本「桃月庵白酒と落語十三夜」に載っていた言葉です。

江戸の文化には全部を『洒落のめす』ところが楽しみにあるんです。

洒落のめすっていう言葉は初めて聴いた言葉で、
でもなんとなく意味は伝わるでしょ!?

だから造語なのかな?
白酒さんが勢いで言った言葉なのかな?と思ったんですけど、
ちゃんと国語辞典にも載っているような言葉でした。
“洒落のめす”…勢いを感じますよね、いい言葉です。

意味としては「なんでも冗談にしてしまう、終始洒落を言い続ける」という言葉なんですけど。

白酒さん曰く江戸の文化には全部を洒落のめす所が楽しみにあるんです。
もっと言うと悲惨な状況も自虐を含めて
全部洒落にしちゃうって事でやせ我慢とも言える考え方、
噺家さんは了見なんて言い方もしますけど。

この感じが僕は好きなんですよね。
悲惨な状況や悲しいムード、そう言ったものに決して同調しない。
あくまでふざけて対抗する。
真面目に対抗しないんですね。
おかしくして笑ってその場を凌いでしまう。
白酒さんもそうしなきゃやってられない状況が
あったのではないのかなと推察しています。
だから洒落のめすってのは江戸っ子の生活の知恵ってことなんでしょうね。

こう言う時に何ふざけているんだ!って言うような人もいたんだろうし、
きっと今もいるんだろうけど。
これは生き方って事だからいいんですよ、人それぞれで。

僕は落語を聴いた後、なんだかわからないんだけど、
ジンワリしてグッとみなぎる、グッとくる時があるんですけど、
これは散々アホなこと馬鹿な事言ってるやってる登場人物たちが
それでもそれぞれに生きてるって事を感じて
グッときているんじゃないのかなと思っています。

生きていくために洒落のめすっていうこの感じが
タフなんだか力が抜けているのか強いのか弱いのかわからない、
なんともおかしみのあるこの感じがいいなと白酒さんの言葉を読んで感じました。

 

バンドマンもある意味、洒落のめす奴らなんだと思っています。
決してお笑いをやっているわけじゃないんですけど
僕はそう言う了見でやっていますね。

M「Alive Song」(SCOOBIE DO

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