●来年度予算案　きょう衆院予算委「採決」で合意　自民と立憲
●岸田総理のウクライナ訪問　国会への事前報告なくても　立憲・安住氏が認める考え
●滋賀県日野町・強盗殺人　裁判やり直し認める決定　異例の死後再審　大阪高裁
●大型トレーラーに大型バスが追突　男性が病院搬送　千歳市
●交番に燃えた新聞紙が投げ入れられる　放火未遂事件で捜査　釧路市
●飲食店から“みかじめ料”脅し取る　札幌の暴力団事務所を家宅捜索
●国内初　インフルエンザ“経鼻ワクチン”承認へ　対象は２歳から１８歳
●道内感染者１８３人　全国５１９１人
●中国からの入国者の水際対策　３月１日から緩和へ　政府発表
●ＪＡＸＡ宇宙飛行士候補　女性医師と国際機関職員の男性
●雇用調整助成金のコロナ特例　３月末で終了
●イタリア南部の海上で移民船転覆　子供１２人含む少なくとも62人死亡

●エンゼルス大谷翔平選手　オープン戦初出場でフェンス直撃の三塁打
　レッドソックス吉田正尚選手　オープン戦初打席で二塁打
　カブス鈴木誠也選手が左わき腹の張り　ＷＢＣ出場の可否は決まらず
●ＷＢＣ侍ジャパン宮崎キャンプ打ち上げ「一丸となって必ず世界一」
●大相撲春場所番付発表　新関脇に霧馬山　朝乃山は幕内復帰ならず
　札幌市育ち・北青鵬　東前頭１５枚目で新入幕　身長２０４センチは最長身
●ノルディックスキー世界選手権ジャンプ混合団体　日本は５位
●女子ゴルフ　イ・ボミ選手が日本ツアー引退を発表
●ベーブ・ルースのカード およそ２億４０００万円で落札　米国
●ファイターズ沖縄キャンプ全日程終了　あすエスコンで初の全体練習　２日紅白戦

【5時台】
M「エル・オー・ヴィ・愛・N・G /田原俊彦」

【6時台】
M「春になったら/ miwa 」

【7時台】
M「EYES ON ME /フェイ・ウォン」

八幡淳ならではの目線と感覚で
臨場感（プレゼンス）あふれるスポーツの話題をお伝えしています。

今回は「　同姓同名アスリート　」

2月27日は元ファイターズで活躍された田中幸雄さん64歳のお誕生日でした。
田中幸雄さんと言うと、多くの方が「あぁ、ミスターファイターズの！」とおっしゃると思います。
昨日64歳になられた田中幸雄さんは内野手の田中幸雄さんではなく、投手の田中幸雄さんです。

田中 幸雄さんは、1959年2月27日千葉県流山市出身の元プロ野球選手（投手）です。
流山高校から社会人野球・電電関東野球部に入団。
当初は内野手でしたが、入社3年目の1979年に投手に転向。
1981年の都市対抗野球にはエースとして出場し、先発で2勝をあげ、チームの準々決勝進出に貢献。
さらにその年のインターコンチネンタルカップ日本代表にも選出されました。
1981年のプロ野球ドラフト会議で日本ハムファイターズから1位指名を受け入団。
プロ3年目の1984年には開幕投手を務めるなど活躍、
1985年6月9日の対近鉄戦ではプロ野球史上55人目のノーヒットノーランを達成します。

ところが、その1985年のドラフト会議で日本ハムは3位で都城高校の内野手田中幸雄さんを指名し入団。
なんと、投手田中幸雄さんと字も同じ「幸いに英雄の雄」と書く田中幸雄さんを指名しました。
内野手田中幸雄さんは早くもプロ2年目の1987年から1軍での試合出場も増えていきます。
一方の投手田中幸雄さんはリリーフ中心に28試合に登板するなど1軍主力級の活躍をしていました。
すると当然、お二人が一緒の試合に出ることも増えてきますので、
当然スコアボードには「田中幸雄」の文字が並んで表記されることもあった訳です。

困った運営側は苦肉の策として投手田中幸雄さんの表記を「田中幸」、
野手田中幸雄さんを「田中雄」と表記して、場内アナウンスではフルネームで
コールしたうえで背番号で区別するということになりました。
そして、ファンの間でもこの二人の呼び方の違いが物議となって、
結局投手田中幸雄さんは190ｃｍという長身であることから「オオユキ」、
184ｃｍと十分な体格だった野手田中幸雄さんは投手田中幸雄さんに比べると
身長が小さかったということもあり「コユキ」という呼称で呼ばれることになりました。
尚、この問題は投手田中幸雄「オオユキ」さんが1989年のオフに中日に移籍したことで
この問題には終止符が打たれますが、後に野手田中幸雄さんは北海道移転後の2007年まで
現役を続けられ2000本安打も達成。
東京時代からのファンの中には投手田中幸雄さんが去った後も
野手田中幸雄さんのことを「コユキ」と呼ぶファンの方もいました。

このように同じチームというのは大変稀ですが、過去にはいくつか例があったようです。
1981年には、阪神にともに投手として在籍していた「佐藤文男」さんが二人いて、
年上の佐藤文雄さんを「佐藤文」年下の佐藤文雄さんを「佐藤雄」と表記するという前例ができていて、
田中幸雄さんはそれに倣ったものではないかと言われているそうです。

ちなみに、読売ジャイアンツのショートには坂本勇人選手がいますが、
2020年の育成ドラフト6位で、捕手の坂本勇人選手も入団。
まだ、育成で1軍の試合には出られませんが去年ショートを守る坂本選手は
去年度重なる故障の影響で2軍の試合に出る機会もたくさんありました。
その時のスコアボードの表記は、内野手の坂本選手はフルネーム表記。
捕手の坂本選手は「坂本勇」と表記されて区別されていたようです。

さて、そんな中頭を悩ませるのが、名前が一文字の場合ではないでしょうか。
実は過去にこれに当てはまることが1度だけありました。
1970年代初め、当時の西鉄(現在の西武)ライオンズに「高橋明」さんという外野手がいましたが、
入団3年目の1971年に巨人から全く同姓同名の「高橋明」投手が移籍してきました。
この時西鉄球団は、元からいた外野手の方を「高橋外」さんと表記し、
移籍してきた高橋投手の方を「高橋明」のフルネームで表記することに。
実は投手高橋さんの方が年上だったこともあり、この件は、年長の移籍選手をたてたと思いきや、
この頃巨人には、チームの主力投手である高橋一三さんがいたため、
そもそも巨人時代から「高橋明」と表記されていた「前例」があったため、
そのまま移籍先でも「高橋明」という表記を続けることになったということなのだそうです。

そして、同姓同名アスリートは異種目間でも存在します。
それが本田圭佑さんです。
本田圭佑選手と言えば、日本サッカー界を代表する名選手でもありますが、
そんな本田圭佑選手はプロ野球埼玉西武ライオンズにもいます。
それが今年プロ8年目を迎える背番号45本田 圭佑投手です。
ちなみに字もサッカーの本田さんと同じ本に田んぼの田、土が縦に二つ人べんに右と表記します。
本田投手、去年はチーム事情から救援陣として45登板で20ホールドを記録。
オールスターにも出場するなど、活躍をしたので、
今季どれくらいチームに貢献できるかが非常に楽しみな選手でもあります。

最後に、プロ野球選手の名前がきっかけで
なんとギネス記録が生まれたというエピソードもご紹介します。
1994年、奈良県立桜井商業高の田中宏和さんがプロ野球ドラフト会議で
当時の近鉄バファローズから1位指名を受けてプロ野球選手となりました。
これを見た大手広告代理店電通に勤めている同姓同名の田中宏和さんが
同姓同名を探し始めたことが原点となります。

2002年、『ほぼ日刊イトイ新聞』でこの運動が紹介されたことで、徐々に知名度も増し、
2009年には作詞：田中宏和（発起人）、作曲：田中宏和（作曲家）による
テーマソング「田中宏和のうた」も制作。
田中宏和さん11人による歌唱はその後、テレビでも取り上げられさらに知名度を上げ、
2011年、ついに67人の同姓同名の「田中宏和」を集めてギネス記録を目指すも、
米国の実業家マーサ・スチュワートさんがテレビの企画で
2005年に164人の「マーサ・スチュワート」を集め失敗。
その後は2度目のギネス挑戦失敗を受けて、同音異字の「タナカヒロカズ」に拡大、
ついに2022年6月4日、176人目のたなかひろかずさんがメンバー入したことにより、
「2022年10月29日、渋谷に178人の「タナカヒロカズ」が集合、ギネス記録認定を達成した。
ただし、今月2月4日、セルビアで行われたイベントにおいて、
「ミリツァ・ヨバノビッチ」さん256人集結し、ギネス世界記録に認定。
たなかひろかずさんの世界記録は98日で破られることになりました。

同姓だけでも親近感がわきますが、注目されやすいプロ野球がきっかけで
こんな運動まで起こる、珍しいエピソードでした。