LIVE HOUSE タムラジオ

第62回“DoYou名言集”

2020年7月17日(金)

「会いたかった人なのだ。求めていたものなのだ。表したかったものなのだ。ずぅっと心の中にしまってあったものなのだ。」by早川義夫

今日の名言はシンガーソングライター早川義夫さんの言葉です。
早川さんは1960年代後半にジャックスというバンドを組んでいました。
アルバムを2枚発売、その後70年代に入ってソロアルバムも出しました。
で、ちょっとお休みしていたと思ったら今度は本屋さんになっていたり。
で、また歌い始めて今現在は活動をお休みしているようです。

そんなシンガーソングライター早川義夫さん。
ライジングサンロックフェスティバルにも出ているんじゃないかと思って
調べたら2004年に出演されていました。
さすがはライジングサン!

今日の名言はそんな早川さんが書いた本「たましいの場所」の中の言葉です。

名言といっても実はもう少し長い文章で、
だから名言というより“名文”というのだろうか。
ちょっと読んでみますね。

「いい音は懐かしいどこかで聞いた事があるような気がする、
それは絵でも文章でもそうだ。素敵な人に出会った時もそうだ。
しかしどこかで聞いたのではない、どこかで見たのでも触れたのでもない。
かつてどこかで会ったのでもない。会いたかった人なのだ。
求めていたものなのだ。表したかったものなのだ。
ずうっと心の中にしまってあったものなのだ。」

もうこの言葉自体がなんかその懐かしさに
溢れている感じがしますけど、安心するよね。
僕も音楽を聞いていて「あっ!この曲好きだ」って思う時に
この懐かしさを感じているような気がします。
歌詞が懐かしさを歌っている曲とか古い時代を感じさせるメロディー
ということではなくて、もっと直感的に
「あっ!なんか懐かしい」っていう感覚。

これは、やっぱり人間の中に自分の嬉しいとか楽しいとか素敵だとかを
ためて培養しておくような場所ってのがあるんだろうね。

こんなことがあって嬉しかったとか楽しかったとか好きだったとか素敵だったとか、
そういう言葉にも表せないような感覚が記憶されて入り混じって培養される。
で、その培養された感覚にシンクロするような音楽とか絵画とか文章とか
人に出会った時にこの「あっ!懐かしい」が
やってくるんじゃないのかな、なんて思います。

僕はバンドをやっていますけど、僕たちの音楽、SCOOBIE DOの音楽、
SCOOBIE DOの曲いいなって言ってくれる事って
すごい奇跡だなって思うんですよね。

僕たちは自分が好きな事をやっているわけでしょ。勝手に。

で、いいなって言ってくれる人もその人が生きていく中で
勝手に育てた感覚でいいなって思うわけですよね。
早川さんの言葉を借りれば僕たちの音楽が
その人にとってずうっと心の中にしまってあったものだったってことですよ。

わーお、この感じ。
ささやかだけど奇跡だな、ロマンチックだな、で嬉しいなと思うんです。
きっと歳を重ねていくごとに懐かしいの感覚も変わっていくんだろうね。
もちろん変わらない部分もあるんだろうけど、
だからますます楽しみです、この先も。

というわけで本日は
会いたかった人なのだ。求めていたものなのだ。表したかったものなのだ。
ずぅっと心の中にしまってあったものなのだ。」という名言を紹介しました。

 

今日オンエアする曲は「Bananagun」というメルボルンのバンドでアルバムも最近出したんですが。
このバンドは色んな懐かしいが詰まっていて好きだな。なにしろバンドってのがいいです。

M「Out of Reach」(Bananagun

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