令和七年度第3回番組審議会議事録

令和七年度第3回番組審議会議事録

1.開催日時

令和7年6月26日(木)
午後4時00分から午後4時50分

2.開催場所

札幌テレビ放送会館 アネックス7階 A会議室

3.出席者

 委員数   6 名
[出席委員]  5 名
 佐賀 のり子 委員長
 八重﨑 聖子 副委員長
 小川 博史  委員
 堀川 知代  委員
 田村 征平  委員

[欠席委員]  1 名
 大房 浩平  委員(書面提出)

[会社側代表] 3 名
 橋本 秀樹  代表取締役社長
 宮野 聡   取締役編成制作部長
 大針 三治  プロデューサー
                            
[事務局]    2 名
 杉本 修   放送審議室長
 佐藤 文宣  書記

4.議題

(1)『TIME for Theater ~川の流れのその先に~』
  (5月25日(水) 19時00分〜20時05分 放送分)

5.議事の概要

令和7年度第3回番組審議会は、5月25日(日)に放送された『TIME for Theater ~川の流れのその先に~』について審議され、各委員から以下のようなご意見、ご要望を頂きました。

●ラジオドラマと聞かされていたので、伏線を構えて聴いていたが、そうではない方は意識しないで、さっきの話は何だった?と、一回聴くだけでは多分思い出せなくて、没入するのに時間がちょっとかかったのかもしれないと思いました。聴き終わってから、伏線として用意されていた物事の辻褄を合わせるために、五十嵐みのりさんが色々な努力をされていたことが分かり、キーとなっていた部分を結論まで導いているので、やはりプロだと感じました。劇中で現代社会の課題をいろいろな視点から発信に織り込まれていて、すごくメッセージが伝わってくる内容でした。演劇の楽しさが伝わり、ドラマを通して北海道の歴史や演劇の文化を押し付けがましくなく、スッと入ってきたというのが素晴らしかったです。
●生放送と収録を織り交ぜた編成になっていて、札幌時計台という身近なものがテーマになっていることから、物語の舞台や時代は違えども、情景が想像しやすかったなと感じました。「ラジオドラマのあとは、生放送で話します」と、収録の様子や物語の背景を話されていて、舞台裏の話が好きな人たちからすると「へえ~」とか、リスナーにも嬉しいと思いますし、私自身もなるほどと思ったことはあったので、生で話を直接聴けるというのはすごい良い企画だったなと思います。リアルタイムで聴いて、同じ時間とか空間というのを共有できました。一緒の時間を過ごし、同じ体験ができているというのもラジオの面白い部分でもあり、ラジオの良さだなと感じました。
●歴史的な背景含めて、いろいろな情報が盛り込まれていることが非常に面白かったと感じました。札幌の歴史や札幌の演劇の歴史は興味を持ったのでいろいろ調べました。SNSへのアンチテーゼみたいな部分が非常に強く語られており、現代の文脈で伝えようとすると角が立つところを今始まったことではなくて、人間社会にはそういう噂話が好きだったり、誹謗中傷は起こりうるものであるということを昔の話に投影して示してくれたことで、納得感が非常に高かったです。芝居の意義みたいなものを感じられて非常に面白かったです。「芝居はなくならない、人々が求めるから」という台詞に続いて、「観た者がいろいろな人生を味わうことができる。芝居で命をたくさんもらえるんだ」という節が非常に素敵で、いろいろなエンタメのコンテンツがある中で、演劇が持つリアリティや疑似体験感というもののすごさをあらためて感じることができました。
●収録されたラジオドラマと想像して聴き始めたが、全く違って驚かされました。演劇とラジオのコラボレーションという新しい形を示してくれた番組だと思いました。収録されたドラマの中に現在の北八劇場との生中継が入り、そこからまた収録されたドラマになって、話が明治時代に飛んで、常設劇場若松館になり、最後にSTVラジオのスタジオからの生放送という締めくくりは非常に手の込んだ作りになっていた印象です。斎藤歩さんから納谷真大さんへのメッセージは、やはりすごく心を打たれました。放送後に斎藤歩さんが亡くなって、まさに最後のメッセージとなってしまったことがとても残念です。全体を通して、5月にちょうど1周年を迎えたジョブキタ北八劇場とその劇場の舞台監督として孤軍奮闘している納谷さんを応援したいという思いがあふれた素晴らしい企画だったなと感じました。
●番組冒頭からその世界観に引き込まれていく感覚がありました。効果音などの音響演出が想像力をかき立てて、次にはどんな展開になるのかと楽しみながら聴くことができました。ドラマと現実、生放送と収録との間を行き来する設定は、非常に面白く斬新なアイデアで、納谷真大さんの焦った様子や言い間違いも、リアリティを感じさせる要素として良い演出とさえ感じました。五十嵐みのりさんの進行も非常にスムーズで、聴き心地も良かったです。番組の前半で、昔は時計台の鐘が麻生でも聞こえたというのは新鮮な驚きでした。また、納谷さんの紹介の中でさりげなく触れられていたニトリの話題が、実は番組上の重要なキーワードだったこともあり、緻密に計算された番組構成だったと感じました。生放送のためかもしれませんが、最後の終わり方は少し尻切れトンボのように感じられました。出演者の皆さんがよりスムーズなエンディングを意識していただけると、さらに番組の完成度が高まると感じました。
●ラジオというメディアの特徴や効果を知り尽くした脚本・演出だったと思います。また、演じる俳優さんたちの声の演技も素晴らしくて、すっかり引き込まれ、笑ったり考えさせられたりしながら聴きました。朗読劇でもなく、ラジオドラマでもなく、演劇とも違う、とても新しく斬新な取り組みだと思いました。ワクワクしましたし、舞台が札幌の創成川から始まっているので、より身近で、若松館という芝居小屋についても、聴きながら、本当にあった場所なのかなと興味がわいて、聴き終わったら調べようと思いながら聴いていました。すごく好奇心を刺激するもので、こういう番組をもっと聴きたいと思いました。演劇とか札幌の演劇シーンを全く知らない人からすると、取り残されてしまう部分があると思いましたし、最後はドタバタ感がちょっとありましたが、それも面白かったです。

続いて、7月の主要単発番組と事業等の説明、聴取者からの声の報告等がなされ、令和7年度第3回番組審議会を終了しました。
次回の令和7年度第4回番組審議会は、令和7年7月24日(木)に開催を予定しております。